Quizbowl 英語用語集
基本・試合形式
Quizbowl
早押し機を使ってチームで知識問題に答える競技の総称。米国の大学・高校・中学で広く行われている。日本の「競技クイズ」に近い。
Tossup
早押し問題。ボタンで早押しして得点を競う。正解するとボーナス問題への解答権を得る。toss-up は本来「コイントス」、転じて「五分五分・どちらに転ぶか分からないもの」の意。
Bonus
トスアップ正解チームに与えられる相談可能な問題。通常は共通テーマを持つ3パート構成で、各10点・計30点。
Packet
1ラウンド/1試合で読む問題文書。通常は20組前後のトスアップとボーナス、同点時用のタイブレーカーなどで構成される。
Set / Question set
大会全体で使う問題群。複数の packet から成る。
Distribution
パケット内またはセット全体の出題ジャンル配分。
Mirror
他所が作った問題セットを借りて、別会場・別日程で開く大会。
Housewrite / Housewritten set
主催者やチームが自作して自主開催大会に使う問題セット。
Packet submission
参加チームが大会参加の条件として1パケット程度を自作提出する形式。
Moderator
問題を読み、正誤判定や進行を行う司会者・読み手。
Guerrilla tournament
主催校が部屋だけ提供し、参加チームが問題・早押し機・審判を持ち寄る低予算大会。ゲリラ大会。
Slapbowl
早押し機が足りず、机を叩いて解答権を争う形式。
トスアップ構造・作問理論
Pyramidal / Pyramidality
難しい手がかりから始まり、徐々に易しくなる問題構造。また、その構造がどれだけ守られているか。深い知識を持つ人ほど早く押せるようにする quizbowl の根幹原則。
Lead-in / First line
問題冒頭の最難関クルー。
Clue
手がかり。問題文中の各情報。
Giveaway
問題文最後の決定的ヒント。give away は「タダで与える」「秘密をばらす」の意。
FTP / For 10 points
tossup の giveaway 直前に置かれる定型句で、「さて10点、○○とは何?」に相当する合図。直訳は「10点をかけて」。ボーナスでは各パート冒頭に FTPE、つまり For 10 points each「各10点」が対応する。
かつては quizbowl の慣例としてほぼ必ず付いていたが、近年は冗長として省く作問者が増えており、NAQT のような伝統的な公式フォーマットで残る一方、モダンな housewrite セットではしばしば省略される。
Power mark
追加点対象範囲を示す印。通常は (*) などで表記される。読み上げ時には読まれない。
In power / Out of power
追加点がもらえる範囲内が in power、それ以降が out of power。
Power
問題の早い段階、つまり power mark より前で正解すること。通常15点。通常正解は10点。
Superpower
Power よりさらに早い正解に20点などを与える制度。
Answerline
正解として認める答え、別解、プロンプト対象などを列挙した部分。解答基準や別解指定。
Pronoun
「この作家」「この元素」など、何を答えさせたいかを示す代名詞的表現。quizbowl では序盤から答える対象カテゴリを示す設計が多い。
Pronunciation guide
読み手のための発音表記。日本のルビ振りに相当する。
Description acceptable
固有名がない、または固有名で答えるのが自然でない答えについて、説明による解答を認める注記。日本で言う「大意が合えば可」「説明で可」に近い。
Neg bait
誤答、特に -5 点の誤答を誘発する紛らわしい記述。neg は negative の略、bait は「釣り餌」。
Hose
問題の設計不備や運によって、解答者が不当に損をさせられる問題および現象。俗語の to hose「ひどい目に遭わせる」から。引っかかることを getting hosed と言う。
深く知る人ほど押しあぐねて損をする現象は Burden of knowledge を参照。
Swerve
問題が途中で急に別方向へ曲がるような引っかけ構造。swerve は「急ハンドル・急旋回」の意。
Burden of knowledge
よく知る人ほど「このクルーは複数に当てはまる」と分かって待ち、浅い知識の人が先に押して正解してしまう現象。直訳は「知識の重荷」。
Transparency
具体的知識がなくても、文脈、問題文の型、出題者の癖、ジャンル配分などから答えが透けて見える欠陥。「透明性」、つまり中身が透けて見えること。
Stock clue
使い古された定番クルー。日本で言うベタ問的な情報。stock phrase「決まり文句」と同じく、「ありきたりの・在庫品の」という意味。
Canon
その難易度帯で繰り返し出題される答え・クルーの集合。原義は聖書の「正典」で、そこから「公認された作品群」、文学の canon などを経て転用された。
Askability / Gettability
「出題に値するか」と「正解可能か」。答え選定の重要基準。
Playability
実際にプレーして楽しく機能するか。学術的に正しくても、playability が低い問題は評価されにくい。
Downconversion / Upconversion
問題を短く・易しく編集して別用途に転用するのが downconversion、逆に長く・難しく膨らませるのが upconversion。
Common link
複数の無関係な事物に共通する語を答えさせる問題。
Curved yellow fruit
直訳「曲がった黄色い果物」、つまりバナナ。前半のクルーが機能せず、最後に小学生でも分かるような giveaway だけで勝負が決まる問題への蔑称。不自然に易しく回りくどい末尾ヒントを揶揄する言い方。
Speed check
全員が知っている一発クルーだけの問題。知識の深さではなく反射神経勝負になるため嫌われる。
Quizbowlese
クイズ問題文にしか出てこない不自然な定型表現。-ese は 「〜語・〜文体」という意味の接尾辞。
Trivia
quizbowl の内部では軽蔑的に使われることがある語。文脈から切り離された些末な暗記事項、あるいは academic quizbowl と対比される雑学クイズを指す。ただし一般英語では単に「雑学」「知識クイズ」全般を指すこともある。
Trash
ポップカルチャー、スポーツ、映画、ゲーム、テレビ、非クラシック音楽などの俗称。文字通りには「ゴミ」で、学術ジャンルに対する蔑称として始まったが、現在はほぼ中立的なジャンル名として定着している。
Things have names
「物には名前がある」原則。作品名、概念名、事件名などは、単なる説明ではなく正式名称で答えさせるべきだという規範。
判定・解答まわり
Prompt
不正解ではないが特定性が足りない答えに対し、司会が「もっと詳しく」と促すこと。prompt は「促す」の意。
Neg / Interrupt
トスアップ中の誤答。特に、問題文を最後まで聞かずに押して誤答した場合を interrupt と呼ぶことが多い。形式によっては -5 点の罰点がつく。neg は negative の略。
Dead tossup
誰も正解できずに流れたトスアップ。日本で言うスルー。dead は文字通り「死んだ」問題。
Bounceback / Rebound
ボーナスで一方のチームが誤答または無答だったパートについて、相手チームに解答権が移る形式。
プレー・戦術用語
Buzz
早押しボタンを押すこと。
Sit
答えの目星はついているが、neg(誤答減点)を回避するためあえて押さずに次のクルーを待つこと。答えを想定した上でタイミングを計るための積極的な戦術判断なこともある。
Vulching / Vulturing
相手チームが neg した後、残りの問題文で正解を拾うこと。とくに自チーム内で他のメンバーより先に拾いに行くニュアンスを含むことがある。vulture「ハゲタカ」を動詞化した vulturing の短縮形。
Punt
特定ジャンルの勉強を戦略的に捨てること。アメフトで攻撃続行を諦めてボールを蹴り渡す「パント」から。「戦略的放棄」の比喩として米語で広く使われる。
Mind-reading
知識ではなく出題者の思考を読んで押すこと。直訳は「読心術」。
Confer
ボーナスでチームメイトと相談すること。
Osmosis
意図的な勉強なしに、プレーを重ねるだけで自然に知識が増える現象。理科用語の「浸透」から。
Real knowledge vs Fake knowledge
原典、授業、研究、実体験などから得た「本物の知識」と、過去問暗記や頻出クルー暗記による「偽物の知識」の対立概念。
コミュニティ・文化スラング
Big Three
出題比率の大きい三大ジャンル。文学・科学・歴史。「三大〜」を意味する英語の常套表現から。
RMP / RMPSS
Religion, Mythology, Philosophy, Social Science の略。宗教・神話・哲学・社会科学ジャンル。
Biking
オンライン大会でネット検索する不正行為。「カンニング」の隠語。Discord などでは自転車の絵文字で表されることがある。
